フランス・ボルドーの赤ワイン「ル・プティ・クルセル・レ・コパン(LE PETIT COURSELLE LES COP(A)INS)2019」
(写真はこのあとナスとピーマンの挽き肉はさみ焼き)
フランス・ボルドーの家族経営のワインメーカー、マリー・エ・シルヴィー・クルセルが手掛けるプティ・クルセル・シリーズの1本。
漫画チックなラベルで知られる。
ワインの友で観たのはNHKBSで放送していたアメリカ映画「ホット・ロック」。
1971年製作の作品。
監督ピーター・イエーツ、出演ロバート・レッドフォード、ジョージ・シーガル、ロン・リーブマンほか。
刑期を終え出所したプロの泥棒ドートマンダー(ロバート・レッドフォード)は、盗みをやめるつもりだったが、早速、相棒から仕事を持ちかけられてしまう。目標はブルックリン博物館にあるダイヤモンド。完璧なはずの計画だったが・・・。
監督のピーター・イエーツは本作の3年前にスティーブ・マックイーン主演の「ブリット」を撮っている。テンポのいい、カーチェイスが見事な作品だった。それで期待して観たが、若き日のロバート・レッドフォードがスキップしながら歩くシーンが見られるものの、コメディータッチのドタバタ泥棒映画だった。
何しろ、ダイヤを盗もうと4人がかりで博物館に忍び込み、展示するケースのカギは開いたものの、ケースが重くて中に1人が閉じ込められてしまうドジぶり。閉じ込められた男は警備員が駆けつけてきたのでとっさにダイヤを飲み込んでしまい、そこからまたドタバタ劇が始まる。
さらに笑えるのが、銀行員にダイヤを隠してある貸金庫のカギを開けさせる作戦に催眠術を使っているところ。
このとき使う魔法の言葉が「アフガニスタン・ババナスタン」。この呪文を耳元でつぶやくと、銀行員は途端に夢遊病者みたいになってカギを開けてしまう。
原語では「afghanistan banana stand」となっていて、最後は「バナナスタンド」が正しいらしいが、「バナナスタン」のほうがリズム感があっていいやすい。
この呪文、どこかで使ってみようかな。
「アフガニスタン・バナナスタン、アフガニスタン・バナナスタン・・・」
ついでにその前に観た映画。
民放のBSで放送していたアメリカ映画「二番目のキス」。
2005年の作品。
原題「FEVER PITCH」
監督ピーター・ファレリーとボビー・ファレリーのファレリー兄弟、出演ドリュー・バリモア、ジミー・ファロン、ジョベス・ウィリアムズ、ケイディー・ストリックランドほか。
仕事中毒のキャリア・ウーマンと、狂信的レッドソックス・ファンが恋に落ちる物語。
女性ビジネスコンサルタントでワーカホリックのリンジー(ドリュー・バリモア)は、ある日出会った高校の数学教師ベン(ジミー・ファロン)と恋に落ちる。ところが彼は熱狂的なレッドソックスファン。シーズン開幕ととともに彼の生活はすべてが野球中心になってしまい・・・。
本作では、ボストンに本拠を置くMLB(メジャーリーグベースボール)のレッドソックスが2004年のワールドシリーズで優勝したことに焦点が当てられている。
当初の脚本ではレッドソックスはプレイオフで負けることになっていて、それでドラマを盛り上げる予定だったらしいが、撮影を続けるうちレッドソックスは勝ち続け、ついにワールドチャンピオンにまでのぼりつめた。
実はレッドソックスは1918年以降2004年に至るまでの86年間、ワールドチャンピオンの座から遠ざかっていた。ワールドシリーズ優勝の翌1919年、それまでレッドソックスの主力花形選手だったベーブ・ルースを金銭トレードでニューヨーク・ヤンキースに放出。
バッターとして偉大だっただけでなく、ピッチャーとしても16年に23勝、17年24勝、18年13勝と投打に貢献してきたルースが、年俸の倍増を要求したのに対してオーナーが「ノー」を突きつけたのが原因らしいが、以後はワールドチャンピオンの座に見放され、逆に、それまでシリーズどころかリーグ優勝もない弱小球団だったヤンキースはルース獲得後、黄金時代を築いていく。
レッドソックスが優勝できないジンクスは、童顔のベーブ・ルースのニックネームであるバンビーノにひっかけて「バンビーノの呪い」といわれ続けてきた。
だからレッドソックス・ファンにとってヤンキースはにっくき球団であり、映画でも、主人公ベンの自宅はあらゆるレッドソックスグッズで飾られていたが、お尻を拭くトイレットペーパーだけはヤンキースのロゴ入りだった。
ベン役をしたジミー・ファロンは実際にはヤンキースファンで、よくぞレッドソックス・オタクの役を引き受けたと思うが、映画の公開後、レッドソックスを熱狂的に愛し宿敵ヤンキースを“悪の帝国”と忌み嫌う人々でつくる「レッドソックス・ネイション」は、ファロンを名誉会員に選出したという。
原題の「FEVER PITCH」は「熱狂」とか「異常なまでの興奮」という意味でナルホドと思うが、わからないのが邦題の「二番目のキス」。
はじめは「何のこっちゃ?」と思ったが、ヒロインのドリュー・バリモアは「25年目のキス」「50回目のファーストキス」のヒット作があり、題名に「キス」を入れて3匹目のドジョウをねらったのと、一番はレッドソックス、彼女は二番、ということから妙ちきりんな題名になったのだろうか。
配給会社の夜明けまで続く邦題決定会議。
会議疲れでみんなへとへと、意識もうろう。
「うーん、なかなか名案が浮かばないなー。もうなんだっていいよ」
「『25年目のキス』にひっかけて、『86年目のキス』なんてどう?」
「いっそのこと、『バンビーノの熱い口づけ』とか?」
そのときテレビのCMが流れてきて、「カステラ一番、電話は二番~」。
「そうだ、『二番目のキス』だ!」
まさかとは思うが。
※この部分あくまでフィクションです。念のため。