チリの赤ワイン「ヒューソネット・カベルネ・ソーヴィニヨン(HUSSONET CABERNET SAUVIGNON)2018」
(写真はこのあとステーキ)
イタリアのワイン・メーカー、アンティノリがチリで手がけるカベルネ・ソーヴィニヨン。
ワイナリーのアラス・デ・ピルケは、チリ・アンデス山脈のふもとに広がるマイポ・ヴァレー、ピルケ南西部に位置し、600haの敷地でサラブレッドを飼育する牧場とワイナリーを経営している。
「アラス」とはスペイン語で「馬牧場」という意味。1892年に設立されたチリで最も歴史あるサラブレッド牧場でもあり、「ヒューソネット」とはG1馬30頭とチャンピオン馬20頭を送り出した種牡馬の名前。
とするとラベルに描かれているのもヒューソネットの勇姿かな?
ワインの友で観たのは、NHKBSで放送していたアメリカ映画「俺たちは天使じゃない」。
1989年の映画。
原題「WE'RE NO ANGELS」
監督ニール・ジョーダン、出演ロバート・デ・ニーロ、ショーン・ペン、デミ・ムーアほか。
ロバート・デ・ニーロが製作総指揮も務め、ハンフリー・ボガート主演の55年製作の同名作品のリメイク版。
1935年、州刑務所から凶悪犯のボブが死刑執行直前に脱獄。近くにいた受刑者のネッド(ロバート・デ・ニーロ)とジミー(ショーン・ペン)も巻き込まれ、心ならずも脱走することに。
カナダ国境に近い町にやってきた2人は到着予定の神父と勘違いされ、修道院で暮らすことになるが・・・。
ニセ神父の2人がおもしろくて、ひっくり返って笑ってしまう。
ベテランのロバート・デ・ニーロの演技がうまいのは当然としても、まだ駆け出しだったショーン・ペンが負けない演技。このときショーン・ペン29歳だった。
映画の中のショーン・ペンの“名演説”がなかなか感動的だった。
神父と間違われた彼は、たくさんいる神父の中からクジで当たってお祭りの説教者として集まった町の人たちの前で説教をしなければいけなくなる。断れば脱獄者とわかってしまうから、やむなくマイクに向かう。
演壇に立つと、手に持っていた聖書に挟んであったポケット型拳銃の広告の切り抜き記事を見つけ、みんなにわからないようにして読み始める。
「皆さんは1人きりで危険の中に立たされたことがありますか? 命が危なくなったとき、私はポケットの中に何かないか探しました。そこには・・・」
これ以上読むと拳銃の宣伝文句になってしまう。どうする? 彼は自分の言葉でしゃべらなければいけなくなる。
「何も・・・、ありません」
始めはいい加減でごまかそうとしていたのが、窮地に立ったとき、彼は自分自身を見つめ、誠実な心に立ち戻って、他人の言葉ではない自分の言葉をつむいでいく。
言葉とはこうして生まれるんだよと教えられるような、いいシーンだった。
ついでにその前に観た映画。
民放のBSで放送していたスウェーデン・フランス合作の映画「散歩する惑星」。
2000年の作品。
原題「SANGER FRAN ANDRA VANINGEN」
監督ロイ・アンダーソン、出演ラース・ノルド、シュテファン・ラーソン、ルチオ・ヴチーナ、ハッセ・ソーデルホルムほか。
ストックホルム発のゆる~い感じの不条理映画。
ある惑星のある町。会社が大量リストラを行い、30年間無欠勤だった男も容赦なく解雇される。その社屋で訪問相手を捜していた男が、通りかかった若者に不意に殴られてしまう。あるディナーショーで手品師が観客を寝かせて人体切断マジックを披露するが、失敗して観客を傷つけてしまう。あるカフェでは家具屋の男が「店が燃えて全部灰になった」と嘆くが、実は保険金目当てに彼が自分で店を放火したもので保険金は手に入らなかった・・・。
構想20年、撮影4年をかけてつくられ、カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞作。
何をやっても人生うまくいかない人たちが、何とかそんな現実から逃れようとする姿を、乾いたブラックユーモアとともにシュールに描く。
顔を白塗りにして登場する風変わりなキャストたちは、街中で監督にスカウトされた一般の人々という。
スウェーデンのポップ・グループABBAのキーボード奏者ベニー・アンダーソンが音楽を担当。