火曜日朝の善福寺公園は小雨。
雨の中、水鳥は別として、鳥たちは一瞬だけ姿を見せるがすぐにいなくなる。
そのかわりというわけではないが、ホトケノザ(仏の座)が咲いていた。
葉の形が仏さまの台座(蓮座)のように見えるというのが名前の由来。別名を「サンガイグサ」というが、これは葉が段状につくところから3階建ての屋根に見立てた「三階草」、あるいは仏教の「三界」にひっかけて「三界草」の説がある。
ホトケノザというと春の七草の1つのはずだが、実は春の七草のホトケノザは本種とは異なる。花の色も、ホトケノザは紫色だが、春の七草のほうは黄色だ。
ホトケノザはシソ科オドリコソウ属で、和名がホトケノザ。しかし、春の七草のホトケノザは別称で、こちらの正式名称、つまり和名はコオニタビラコ(小鬼田平子)。キク科の植物だ。
田んぼの畦などでロゼット葉を広げて地面にはいつくばった姿が仏の台座に似ているというのでホトケノザの別名で呼ばれるが、田平子という、まさしく葉っぱの形をいいあてた立派な和名があるのだから、それで十分だと思うが、昔の人は「仏の座」への憧れが強かったのか。
すでに1709年の貝原益軒による「大和本草」には次のように書かれてある。
「黄瓜菜(たびらこ)・・・本邦人曰、七草ノ菜ノ内、仏座是ナリ」
のちに牧野富太郎もこれを追認したというから、春の七草=ホトケノザが定説になってしまったのだろうか?
一方の本物?のホトケノザについても1715年の「大和本草附録」に「仏の座(ザ)・・・紫色の花さく」とあるから、こちらもちゃんと歴史があるのだが、なぜ2つの同じ名前がそのまま今に至ってしまっているのだろうか?
カンヒザクラも咲き始めた。
サンシュユが満開となり黄金の木になっていた。