チリの赤ワイン「モンテス・リミテッド・セレクション・ピノ・ノワール(MONTES LIMITED SELECTION PINOT NOIR)2019」
1988年設立のモンテスの赤ワイン。
南北に細長いチリは15の州に分けられているが、名前とは別にローマ数字が北から南の順に割り当てられていて、一般的には州名よりローマ数字の方が用いられている。
ワイナリーは南米最高峰のアコンカグア山がそびえる第Ⅴ州(バルパライソ州)に位置し、同名の河川の領域に広がるアコンカグアが生産地。
ワインの友で観たのは、NHKBSで放送していたアメリカ映画「黄昏」。
1951年の作品。
原題「CARRIE」
監督ウィリアム・ワイラー、出演ローレンス・オリビエ、ジェニファー・ジョーンズ、ミリアム・ホプキンス、エディ・アルバートほか。
ミズリー州の田舎町で暮らす役者志望の娘キャリー(ジェニファー・ジョーンズ)は姉夫婦を頼ってシカゴにやって来るが、働いていた工場で指をケガをしたためにクビになってしまう。 路頭に迷ったキャリーは、シカゴに来る際の汽車で知り合った調子のいい男チャーリー(エディ・アルバート)と再会。チャーリーは言葉巧みにキャリーを自分の部屋に連れ込み、結局そのまま同棲することになってしまう。
一方、キャリーはチャーリーに誘われて行った高級レストラン「フィッツジェラルド」で支配人のジョージ(ローレンス・オリビエ)と出会う。ジョージは一目でキャリーに恋心を抱き、キャリーもまたジョージにひかれていく。
実はジョージには妻も子もいたのだが、2人はすべてを捨ててニューヨークに駆け落ちしていく。
悲しくて、どうしょうもなく切ない幕切れ。
2人はニューヨークで新生活を始めるが、ジョージは駆け落ちのときにレストランから借りるつもりで持ち出した金が盗んだ金とされ、返さざるを得なくなったことから一文無しになる。 中年男に働き口はなかなかなく、2人の生活は困窮を極める。
その間にキャリーは、以前から志望していた舞台女優になる。そしてジョージの息子が結婚したことを知り、自分は身を引いて元の家族と一緒に暮らした方がいい考えたキャリーはジョージを息子に会いに行かせ、彼の留守中に姿を消す。
しかし、ジョージは息子に会いに行くものの、遠くから見るだけでニューヨークに戻ってきてしまう。
数年後、キャリーは女優として大成功を収めていた。 一方、一人になったジョージは浮浪者にまで落ちぶれていた。そしてキャリーは、ジョージが自分を思い、自分のために生きようとして落ちぶれてしまったことを知り、彼を探し出そうとするが、見つからない。
ある夜、楽屋口に物乞いをする浮浪者が現れる。それはまぎれもなくジョージだった。その姿にショックを受けたキャリーは彼を楽屋に連れて行き、当座の金を渡そうとするが、ジョージは「そんな大金はいらない」と尻込みする。
キャリーは、再びジョージと生活をやり直すため、まとまったお金を用意しようと事務所に行くが、その隙に、ジョージは彼女から握らされたお札は財布に戻し、コインを1つだけ取って、寒空の中に消えていくのだった。
ジョージが去っていったのは、これ以上、見すぼらしい姿をさらしたくないと思ったのか、たとえ極貧となっても人間としての矜持を保ちたいと思ったのか。
成功した女性と、彼女のために尽くして浮浪者となった男。まるでチャプリンの「街の灯」の“悲しい版”のような映画だった。
ついでにその前に観たのは、民放のBSで放送していた日本映画「雄呂血(おろち)」。
1925年の作品。
総指揮/マキノ省三、原作・脚本/寿々喜多呂九平、監督/二川文太郎、撮影/石野誠三、舞台装置/河村甚平、現像/田村太一郎、殺陣/市川桃栗。
出演/阪東妻三郎、関操、環歌子、春路謙作、中村吉松ほか。
“バンツマ”こと阪東妻三郎の無声映画時代を代表する傑作チャンバラ時代劇。日本に「剣戟ブーム」を起こした記念碑的作品といわれる。
今から100年近く前の映画で、よくぞプリントが残っていたと思うが、おそらく修復もしたのだろう、映像は比較的きれいで、クライマックスの剣劇シーンは迫力があった。
監督の二川文太郎は当時まだ26歳の若さ。イラストレーターの原田治は孫だ。
「無頼漢(ならずもの)を称する者、必ずしも真の無頼漢のみに非らず。善良高潔なる人格者と称せらるる者、必ずしも真の善人のみに非らず」をテーマにした映画。
時は享保のころ、小さな城下町で暮らす久利富平三郎(阪東妻三郎)は、家老の倅とのケンカがもとで漢学塾を破門になり、密かに思いを寄せていた塾の一人娘・奈美江(環歌子)からも誤解されたまま絶交を言い渡されてしまう。
その後も、自分が正しいと信じてやったことがことあるごとに周りからは曲解され、次第に心もすさんでいって、無頼の浪人になり下がった平三郎は虚無の深淵に沈んでいく。
たまたまある町で、逃げた彼を匿った顔役(中村吉松)は、町の人からも慕われる立派な親分と見られていたが、実は陰で悪事を働く大悪人だった。誰よりも善良でありながら世の中に受け容れられない自分と引き比べてあまりの矛盾に怒りを感じる平三郎。
そこへ、昔の思い人・奈美江が旅の途中で病気になった夫とともに連れられてくる。奈美江に悪親分の魔の手が伸びると、とうとう平三郎の怒りは爆発。親分たちに加え、自分を追っていた町方との大立ち回りとなっていく。
民放のBSで放送していた韓国映画「技術者たち」。
2014年の作品。
監督キム・ホンソン、出演キム・ウビン、コ・チャンソク、イ・ヒョヌほか。
凄腕の金庫破りにして詐欺師のジヒョク(キム・ウビン)は、人材調達を得意とするグイン(コ・チャンソク)や天才ハッカーのジョンベ(イ・ヒョヌ)らと組んで宝石店を襲い、一夜にして有名になる。そんな彼らに、裏社会の大物でもある中華街の社長がある仕事を依頼する。それは、北東アジア最高のセキュリティを誇る仁川税関に隠された1500億ウォンもの大金を、わずか40分の制限時間内に盗み出すというものだった・・・。
映画の最後のトリックを駆使したどんでん返しが痛快。