フランス・ブルゴーニュの赤ワイン「ブルゴーニュ・ピノ・ノワール(BOURGOGNE PINOT NOIR)2019」
(パンは杉並区西荻窪のポム・ド・テールのベーグルとマフィン)
ブルゴーニュの白ワインで名門中の名門といわれるドメーヌ・ルフレーヴから独立したオリヴィエ・ルフレーヴがつくる赤ワイン。
滑らかなタンニンと柔らかな酸が特徴で、バランスに優れた親しみやすい1本。
ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたアメリカ映画「忘れられない人」。
1993年の映画
原題「UNTAMED HEART」
監督トニー・ビル、出演クリスチャン・スレイター、マリサ・トメイ、ロージー・ペレス、カイル・セコーほか。
先天性の心臓病を患うアダム(クリスチャン・スレイター)は、彼が働くカフェのウェイトレス、キャロライン(マリサ・トメイ)に恋心を抱いているが、それを本人に告げることができず、ただじっと遠くから見守るだけだった。彼は孤児院で育ち、周囲の人とほとんど口をきかない“変わった青年”と見られていて、一方のキャロラインはというと、明朗快活だが、恋も仕事も中途半端な自分に悩んでいる女性だった。
ある夜、仕事帰りのキャロラインが暴漢に襲われたところを助けたことから、2人は接近。死の不安をひとり耐えてきたアダムはやがて、彼女にだけは自分の秘密の世界を覗かせるようになる。そして、恋にしくじってばかりいたキャロラインも、純粋で優しい心の持ち主であるアダムに心ひかれていく。
だが、アダムの心臓はすぐにでも移植が必要なほど危険な状態だった。キャロラインはアダムに手術を勧めるが、彼は子どものころ孤児院でシスターから聞かされた物語を信じ、自分の心臓が特別なものと思い込んでいて、もし心臓が奪われたら、もう君を愛せなくなると語るのだった・・・。
原題の「UNTAMED HEART」とは、直訳すれば「無垢の心」といった意味か。
映画の中で流れるナット・キングコールのジャズナンバー「Nature Boy(ネイチャー・ボーイ)」が、この映画の主題を言い尽くしている。
以下、ネットから引用。
ある少年がいました
とても不思議な魅力を持った
少年でした
遠く々離れた国や海をこえながら
少年はあてのない旅をしていたと
人々は言います
少し恥ずかしがり屋で
悲しい目をした
けれど、たいそう賢い少年でした
ある日、
不思議なことが起こりました
私の人生に彼があらわれたのです
私たちはいろいろな話をしました
愚か者のことや
偉い人たちのこと
そして彼は私に
こう言い残しました
「まずは自分から愛を与えることさ
そうすれば愛はかえってくる
それが人間が学ぶべき
最も大切なことなんだ」と...
(東エミのジャズ洋楽歌詞翻訳集Groovy Groovy~and all that jazz~より)
1947(昭和22)年にEden Ahbez(エデン・アーベ)によって作られた曲だそうで、美しい旋律、“ナッキンコール”の 歌声に心が洗われる。
ついでにその前に観た映画も紹介。
民放のBSで放送していたインド映画「ピザ!」。
2014年の作品。
監督M・マニカンダン、出演ラメーシュ、ヴィグネーシュ、アイシュワリヤー・ラージェンシュほか。
原題は「Kaaka muttai」。タミル語で「カラスの卵」という意味だそうだが、ニワトリの卵なんか高くて買えず、野生のカラスの卵で満足している貧しい兄弟が、彼らが住むスラム街の目の前にオープンした店のピザを何とかして食べようと、大騒動を繰り広げる物語。
南インドのタミル・ナードゥ州チェンナイのスラム街に住む兄弟が主人公。一間だけの小さな家に母、祖母とともに暮らす兄弟は、父親が目下拘留中。父には持病もあるため早く保釈させたいのだが、母が雇った弁護士はお金を取るばかりで何もしてくれない。母は小さな工場で働き、兄弟も線路に落ちている石炭のかけらを集めては売りにいって家計を助けている。そんな兄弟の楽しみは、近所の子どもたちと遊ぶ広場の木に登って、カラスの巣から卵を失敬することだった。
ある日のこと、広場が立ち入り禁止になり、木は倒されて整地され、そこに大きなピザ店ができる。おいしそうなピザに憧れた兄弟は、何とかお金を貯めてピザを食べたいと思うが、2人が稼げるのは1日に10ルピー(15円)程度。300ルピーもするピザは高嶺の花。そこで兄弟は仲よしの鉄道作業員“ニンジン”おじさんに助けてもらい、石炭をくすねて何とか300ルピーを貯め、ピザ店へと向かうが・・・。
すったもんだの挙げ句、ようやくピザにありつけた2人。
食べた感想は「ドーサのほうがおいしいね」。
ドーサとは南インドの庶民的な伝統料理で、米と豆を発酵させてつくった生地をクレープみたいにして薄く伸ばして焼いたもので、これにココナッツチャツネや具をはさんで食べる。
もともとピザのルーツはインドやペルシャあたりのナンにさかのぼるのではないか。
長年親しまれていた庶民の味であるこっちのほうがおいしいに決まってる。
NHKBSで放送していたアメリカ映画「カラミティ・ジェーン」。
1953年の映画。
監督デビッド・バトラー、出演ドリス・デイ、ハワード・キール、アリン・マクレリー、フィリップ・ケイリーほか。
ドリス・デイ主演の、何とミュージカル西部劇。
西部開拓時代の実在の女性ガンマン、カラミティ・ジェーンと早撃ちの名手ビル・ヒコックの恋を描く。
デッドウッドと呼ばれる西部の小さな町で、男勝りの射撃の腕前をもつジェーン(ドリス・デイ)はある日のこと、町に人気女優を連れてくると約束しシカゴへと向かう。ところが間違って付き人を連れ帰ってしまい、大騒動に・・・。
カラミティ・ジェーンとビル・ヒコックの恋は実際にあったらしく、2人はサウスダコタ州ブラックヒルズにあるデッドウッドで出会い、親しくなったという。
しかし、出会ってほどなくして、ヒコックは酒場でポーカーをしているときに背後から撃たれて死亡。このときヒコックは39歳、彼女はまだ20歳だった。47歳で病気のため亡くなったジェーンは、ヒコックの墓のとなりに埋葬されたという。
映画の主題歌で、ドリス・デイが歌った「シークレット・ラヴ」はアカデミー歌曲賞を受賞。
そういえばヒッチコック監督の「知りすぎていた男」(1956年)でも、ジェームズ・ステュアートの妻を演じたドリス・デイが歌った「ケセラセラ」がアカデミー歌曲賞を受賞している。