善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「LION/ライオン 25年目のただいま」他

チリの白ワイン「マプ・レゼルヴァ・シャルドネ(MAPU RESERVA CHARDONNAY)2020」f:id:macchi105:20211112131630j:plain

フランス・ボルドー5大シャトーのひとつシャトー・ムートンを所有するロスチャイルド社がチリで手がけるワイン。

「マプ」とはチリ中南部からアルゼンチン南部に住むアメリカ先住民マプチェ族の言葉からきている。マプチェ族の「マプ」は「大地」、「チェ」は「人々」で「大地に生きる人々」を意味するという。

シャルドネ100%ですっきりした味わい。

 

ワインの友で観たのは民放のBSで放送していたオーストラリア映画「LION/ライオン 25年目のただいま」。

2016年の作品。

原題「LION」

監督ガース・デイヴィス、出演デヴ・パテル、サニー・パワール、ニコール・キッドマンルーニー・マーラほか。

 

幼少時にインドで迷子になり、オーストラリアで育った青年が Google Earth を頼りに自分の家を探し出し、産みの親との再会を果たした実録映画で、実際にあった話を映画にしたという。

インドでは毎年8万人の子どもが行方不明になっているといわれる。中には人身売買の被害に遭う悲惨な身の上の子どももいるだろうが、自分のルーツを追い求め、ついに失われた人生を取り戻した奇跡の物語。

 

1986年、インドのスラム街で暮らす5歳の少年サルー(サニー・パワール、成長後はデヴ・パテル)は、兄と仕事を探しにでかけた先で停車中の電車で眠り込んでしまう。列車は回送列車だったため、ノッストップで家から遠く離れた大都市カルカッタコルカタ)まで来てしまう。

降り立った町の人々が話す言葉がサルーの方言とは異なっていて話が通じない上に、自分が住んでいる村の名をサルー自身も正確に記憶してなくて(実は自分の名前も間違って覚えていたことが最後にわかり、正しくはライオンを意味する名前で、それが映画のタイトルとなった)、結局、彼は孤児となって都会を流浪することになってしまう。

そこへ、養子を求めるオーストラリアのタスマニアで暮らす夫婦があらわれ、サルーは養父母の元に引き取られ、健やかに成長していく。メルボルンの大学で経営学を専攻するようになった彼は、やがて記憶の中に浮かんでは消える故郷の村の残像に苦しむようになり、今は幸せではあるものの、自分はいったい何者なのかと自問するようになる。

そんなとき、友人のひとりからGoogle Earthなら地球上のどこへでも行くことができると教えられたサルー。おぼろげな記憶とGoogle Earthを頼りに、本当の母や兄が暮らす故郷を探しはじめる・・・。

 

映画を見ていて、実の家族とふるさとを探し出すという本題以上に強く印象に残ったのが、養母となったオーストラリア人のスー・ブライアリー(ニコール・キッドマン)がサルーに語った次の言葉だった。

「私たち夫婦は、子どもを産もうと思えば産めたの。でも、産まずに養子をもらうことにしたのよ」

それはなぜか? 今の世の中を見ていて、自分が出産すればそれで幸せといえるだろうかとの疑問を抱いたスーは、それよりも今この世にすでにいる愛に飢えた子を助けたい、と思ったのだった。

そうなのか、わが子だけが子どもではないのか。他人の子であっても、親の愛を求める子どもがいるなら、その子を自分の子どもにして育てることも、立派にひとつの家族の形なのかもしれない。

 

ついでにその前に観た映画。

民放のBSで放送していたアメリカ映画「サイド・エフェクト」。

2013年の作品

監督スティーブン・ソダーバーグ、出演ジュード・ロウルーニー・マーラキャサリン・ゼタ=ジョーンズチャニング・テイタムほか。

 

幸福な生活を送っていたエミリー(ルーニー・マーラ)は、夫がインサイダー取引で収監されたことをきっかけにかつて患ったうつ病が再発。精神科医のバンクス(ジュード・ロウ)が処方した新薬により、うつ症状は改善されたものの副作用で夢遊病を発症し、やがて無意識状態のまま殺人を犯してしまう。

主治医としての責任を問われ、社会的信頼を失ったバンクスは、エミリーに処方した新薬について独自に調査を開始。やがて衝撃的な真実にたどりつく・・・。

 

薬の副作用(サイド・エフェクト)をめぐる巧妙な犯罪と、思いもよらぬ陰謀に巻き込まれ人生を台なしにされかけた精神科医の10倍返しの物語。