善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「運命の逆転」「ヘヴン」

スペインの赤ワイン「サングレ・デ・トロ・オリジナル(SANGRE DE TORO ORIGINAL)2018」

(写真はこのあとメインの肉料理)f:id:macchi105:20210806182607j:plain

スペイン・バルセロナの近郊、ペネデス地方でワインをつくり続けて140年移乗というワイナリー、トーレスの赤ワイン。

ガルナッチャとカリニェーナをブレンド。濃厚だけどすっきりした味わい。

 

ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたアメリカ映画「運命の逆転」。

1990年の作品。

原題「REVERSAL OF FORTUNE」

監督バーベット・シュローダー、出演ジェレミー・アイアンズグレン・クローズ、ロン・シルヴァー、アナベラ・シオラほか。

 

アメリカで実際に起きたクラウス・フォン・ビューロー事件を映画化した作品。

どんな事件かというと、1982年、ロードアイランド州ニューポートの自邸で、大富豪のクラウス・フォン・ビューローが、低血糖症を患っていた妻サニーに対してインスリンを過剰投与して殺害を図った殺人未遂事件の被告として裁判にかけられた。2人は再婚した夫婦で、クラウスはもともと法律家、妻サニーは父親から巨万の富を相続していた。

裁判でクラウスは有罪とされ禁固30年の刑をいい渡されたが、ハーバード・ロースクールの教授で高名な弁護士のアラン・ダーショウィッツを雇って控訴し、弁護団は警察の捜査を丁寧に検討してそのズサンさを証明。結局、被告人は無罪となる。

しかし、事件の真相は不明のままで、妻サニーは28年間昏睡状態が続いたまま2008年に息を引き取ったという。

 

映画公開時、事件の当事者のほとんどは存命していたという。それなのによくぞ実名で登場させて映画化できたなと思ったが、原作は弁護士のアラン・ダーショウィッツの著作だというから、原作の範囲内ということで映画化が可能になったのかもしれない。

アラン・ダーショウィッツは、トランプ大統領に対する弾劾裁判のときにトランプを擁護する弁護団に参加していることでも有名だ。

上院での弾劾裁判でダーショウィッツは、選挙で選ばれた公人はみな自分の当選は国益につながると信じている。トランプ大統領も自身の再選が国益と信じていた。ゆえに国益である当選のためにする行動は弾劾に値する職権濫用に当たらない、と主張。このトンデモ三段論法に、「大統領の自己利益がイコール国益だとしたら、選挙に勝つためには何をやっいてもいいことになってしまう」と批判の声があがったという。

 

ついでにその前に観た映画。

民放のBSで放送していたドイツ・アメリカ・イギリス・フランスの合作映画「ヘヴン」。

2002年の作品。

監督トム・ティクヴァ、出演ケイト・ブランシェットジョヴァンニ・リビシほか。

 

イタリア・トリノで英語教師をしていたフィリッパ(ケイト・ブランシェット)は、大企業の社長ヴェンディーチェを殺害しようと高層ビルにあるオフィスに時限爆弾を仕掛ける。ヴェンディーチェは麻薬売買の黒幕で、フィリッパの夫は中毒死していて、学校の生徒の中にも死者が出ていた。

しかし、爆弾は爆発したものの、たまたまビルを訪れた無関係の親子など4人が即死。ヴェンディーチェはピンピンしていた。国家憲兵隊(カラビニエリ)はフィリッパを無差別テロ事件の犯人の疑いで逮捕。取り調べの途中、無関係の人だけが死んだとわかり、フィリッパは自分の犯した罪の大きさに気を失ってしまう。

このとき、フィリッパが外国人だというので通訳をしていたのが若い憲兵のフィリッポ(ジョヴァンニ・リビシ)で、フィリッパに一目惚れしてしまい、密かに逃亡を手助けするが・・・。

 

麻薬密売をめぐるサスペンスかと見始めると、映画が始まって早々からラブストリーになっていった。

逃げる2人を包み込むような自然を映す映像が美しく、ケイト・ブランシェットが美しい。憲兵隊の捜索から逃れようと2人ともクリクリの坊主頭になるが、丸坊主になったケイト・ブランシェットの頭の形も美しい。

このとき彼女は33歳。この映画の前後に公開された「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズでは高貴なエルフ(神々しい感じの種族)の役をしていて、ロングヘアの金髪姿だったが、冠みたいなのをかぶっていたからカツラだったのかもしれない。

彼女は役だからとイヤイヤ坊主になるのではなく、プライベートでもときどき坊主頭になるのだとか。気分転換にいいのかも。