善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「海を飛ぶ夢」他

フランス・ロワールの赤ワイン「ピノ・ノワール・アティテュード(PINOT NOIR ATTITUDE)2019」

(写真はこのあとメインの厚切り豚ステーキ)f:id:macchi105:20210801170109j:plain

ロワールきっての自然派の生産者、パスカル・ジョリヴェの赤ワイン。

ロワール渓谷のトゥーレーヌとサンセールの地域の畑から収穫されたピノ・ノワール100%。

輝きのあるルビー色。おいしいワイン。

 

ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたスペイン・フランス・イタリア合作の映画「海を飛ぶ夢」。

2004年の作品

原題「MAR ADENTRO」

監督アレハンドロ・アメナーバル、出演ハビエル・バルデムベレン・ルエダ、ロラ・ドゥエニャス、マベル・リベラほか。

 

原題の「MAR ADENTRO」は「内なる海」の意味という。

実在の人物ラモン・サンペドロの手記「レターズ・フロム・ヘル」を映画化。

25歳の夏、海で起きた事故で四肢麻痺となり、寝たきりの生活を送り続けてきたラモン・サンペドロ。26年間、彼は家族の絆や介護に支えられ穏やかに暮らしてきたが、自分らしく生きるために「尊厳死」という選択をする。しかし、周囲の人々は彼の選択に動揺し、葛藤する・・・。

 

ベッドに横たわるラモンの手足が突如、自由になり、窓の外から海へと飛び出し、砂浜で愛する人と熱い口づけを交わすシーンがある。しかし、それは想像の世界でのことであり、日常生活のすべてを世話する心やさしい義姉をはじめ周囲の愛情に包まれていても、彼の26年は「生きる自由」ではなく、「義務としての生」でしかなかった。

本当に自分が自由に選択できるものは何か?といえば、それは「死ぬこと」だった。

生きることと死ぬこと、命の厳粛な重みを問う映画だった。

 

ついでにその前に観た映画。

NHKBSで放送していたアメリカ映画「私は告白する

1953年の作品。

原題「I CONFESS」

監督アルフレッド・ヒッチコック、出演モンゴメリー・クリフトアン・バクスターカール・マルデンほか。

 

ローマカトリック教会の戒律(告解の守秘義務)をテーマに描く異色のサスペンス。

カナダ・ケベック市の神父ローガン(モンゴメリー・クリフト)はある夜、教会で働くケラーから強盗殺人を犯したと告解を受ける。警察の捜査により犯人は司祭服を着ていたことが判明し、ローガンに疑いがかけられてしまう。だが、聖職者であるローガンは真実を知りながらもケラーの告解を他人に語ることができない・・・。

これだけだったら真実を他言できないローガンの苦悩で終わってしまうが、ヒッチコックはさらに物語の枝葉を広げている。

実はローガンは神父になる前に、今は国会議員の夫人となっている女性(アン・バクスター)と熱烈な恋をしていたが、戦争により2人の恋は終り、彼女が結婚したあとに偶然、再会していたところを悪徳弁護士に見られ、夫人はそれをネタに弁護士から脅されていた。教会で働くケラーが金欲しさに殺したのがその弁護士だった。

 

苦悩する青年神父を好演していたのが二枚目俳優のモンゴメリー・クリフト。彼はこの映画に前後して、エリザベス・テイラーと共演した「陽のあたる場所」、ヴィットリオ・デ・シーカ監督の「終着駅」などにも出演しているが、その後の印象がまるでない。

それで映画を見終わってから調べたら、彼は若いころから病気を抱えていて、45歳で亡くなっていた。

 

NHKBSで放送していたアメリカ映画「西部魂」。

1941年の作品。

監督フリッツ・ラング、出演ロバート・ヤングランドルフ・スコット、ディーン・ジャガーほか。

 

大陸横断通信網の敷設を計画するウエスタン・ユニオン社のクレイトン(ディーン・ジャガー)は、調査中に落馬して重傷を負うが、偶然通りかかった男ショウ(ランドルフ・スコット)に救われる。やがて、工事に着手する作業員の募集を始めたクレイトンはショウと再会。これに東部からやってきたリチャード(ロバート・ヤング)も加わる。ショウとリチャードは電信会社に勤めるクレイトンの妹、スウに一目ぼれしてサヤ当を演じるが、ともに電線敷設のため荒野に向かう・・・。

 

1941年とは太平洋戦争が始まった年。それでもアメリカは西部劇なんていう娯楽映画をつくっちゃって、余裕あるなーと思いつつ見始めるが、結局は、悪は滅び正義は勝つ、みんなで団結すれば怖くないという映画で、音楽も勇ましく、戦意高揚に一役買っている感じだった。