正月三が日の2日と3日は入場無料なので、恵比寿にある東京都写真美術館に出かけていくのが毎年の恒例行事。
開催中だったのは「瀬戸正人 記憶の地図」と「日本初期写真史 関東編 幕末明治を撮る」。
瀬戸正人(1953-)は日本人の父とベトナム人の母の元にタイで生まれ、61年に父の故郷である福島県に移り住み、現在はフリーランスで活躍する写真家。96年に木村伊兵衛写真賞を受賞している。
2つのふるさとを持つ瀬戸は、タイと日本を往還しながら半世紀以上にわたりアジア各地の人々の暮らしや表情、風土や自然、また社会にレンズを向けてきたが、「写真は『記録』であると同時に『記憶』でもある」と語っている。
今回展示された作品のひとつが「Silent Mode2020」。
若い女性のポートレートを撮っているが、表面にあらわれる個性を消すことをめざした作品で、モデル1人1人が自分の内面に到達したときを見計らってシャッターを切ったんだとか。
印象的だったのが、リビングルームにたたずむモデルを撮った「Living Room Tokyo」。
8×10インチサイズの大型カメラで撮影されているから、そのリアルなこと。
住んでいる人の本棚にどんな本が並んでいるかもわかる。その人の生活だけでなく、人生までも覗き見したような気持ちにさせられる。
撮影した大型カメラを手にした瀬戸のセルフポートレートもあった。
瀬戸の生まれ故郷タイ・バンコク、そして母の親戚の住むベトナム・ハノイを約20年ぶりに訪れて撮影したシリーズの中の1枚。
お昼は美術館の隣の恵比寿ガーデンプレイスビル1階にあるエビスビアステーションで。
エビスビールにソーセージ、アヒージョなどでイッパイ。