イタリア・トスカーナの赤ワイン「ヴィラ・アンティノリ・ロッソ(VILLA ANTINORI ROSSO)2017」
14世紀から続く歴史を持つイタリアの名門、アンティノリの赤ワイン。
トスカーナの畑から厳選したサンジョヴェーゼとカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、プティ・ヴェルドをブレンド。
香りよく、酸味もほどよく、風味豊かな余韻。
ワインの友で観たのとその前に観た映画を2本ご紹介。
まずは民放のBSで放送していたアメリカ映画「ナチュラル・ボーン・キラーズ」
1994年の作品。
監督オリバー・ストーン、原案クエンティン・タランティーノ、出演ウディ・ハレルソン、ジュリエット・ルイス、トム・サイズモア、ロバート・ダウニー・Jr.、トミー・リー・ジョーンズほか。
行く先々で殺人を繰り返すカップルの逃避行を描いたバイオレンス映画。
欧米各国で年齢制限公開や上映禁止となり、話題を呼んだ。フィルム、VTR、アニメ合成などが目まぐるしく移り変わる映像が特徴。
幼少時から父親に性的虐待を受けてきたマロリー(ジュリエット・ルイス)は、肉屋の配達人ミッキー(ウディ・ハレルソン)と出会い恋に落ちる。ミッキーはマロリーの両親を殺害し、2 人は車でルート 666 を旅しながら無差別殺人を繰り返していく。52 人もの命を奪った彼らはマスコミの報道合戦によって全米の注目を集め、若者たちのヒーローとして崇められるように。そんな 2 人を、名声を欲する暴力刑事スキャグネッティ(トム・サイズモア)と視聴率アップを狙うテレビキャスターのゲール(ロバート・ダウニー・Jr.)、さらには2人が収監された刑務所の所長マクラスキー(トミー・リー・ジョーンズ)が追う。
ハチャメチャな展開・映像づくりだが、なぜかさほど醜悪な感じはせず、よくできた映画だった。オリバー・ストーンのつくり方がよかったのか。やっぱり映画は監督次第。
もう1本も民放で放送していたアメリカ映画「ダブル・ジョパディー」。
1999年の作品。
監督ブルース・ベレスフォード、出演アシュレイ・ジャッド、トミー・リー・ジョーンズ、ブルース・グリーンウッド、アナベス・ギッシュほか。
タイトルの「ダブル・ジョパディー」とは「二重の危険」という意味で、アメリカ合衆国憲法修正第5条に定められた「すでに処罰された同一の犯罪について再度刑事責任を問うこと(二重の危険、つまり二重処罰)の禁止」の条項のこと。
夫ニック(ブルース・グリーンウッド)と幼い息子マティとの3人で幸せに暮らしていたかに見えたリビー(アシュレイ・ジャッド)。ところがある日突然、ニックが海に落ちて行方不明となり、リビーは夫殺しという身に覚えのない罪で逮捕され、有罪となる。
服役中のリビーは、実はニックが名前を変えて生きていて、自分の「死」で息子が得た莫大な保険金でのうのうと暮していることを知る。ニックはリビーを罠にはめたうえで、不倫相手と第2の人生を楽しんでいるのだった。
リビーは刑務所仲間から憲法の「ダブル・ジョパディー」条項のことを聞き、ニックへの復讐を決意する。
6年後、仮出所したリビーは保護観察官レーマン(トミー・リー・ジョーンズ)の監視下に置かれながらも復讐を決行しようとするが・・・。
何と「ナチュラル・ボーン・キラーズ」にトミー・リー・ジョーンズが出ていて、「ダブル・ジョパディー」にもトミー・リー・ジョーンズが出ていた。
前者では軽薄で狂気じみた刑務所長役だったが、後者は情があって頼れる保護観察官。
役者は何でもできなくちゃいけないんだね。
ちなみに日本国憲法の第39条にも「同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない」と定められていて、英文では「nor shall he be placed in double jeopardy」となっている。
しかし、日本国憲法の「ダブル・ジョパディー(二重の危険)」禁止の条項制定には紆余曲折があったようで、戦後、日本国憲法をつくる際、GHQ草案では「ダブル・ジョパディー」の条項があったが、当時、GHQとの折衝を担当した内閣法制局の入江俊郎(のちの最高裁判事)や佐藤達夫(のちの法制局長官)らは「ダブル・ジョパディー」の意味を知らず、日本語の草案ではいったん削られてしまったという。
のちにGHQが「ダブル・ジョパディー」禁止条項の削除に同意していないことがわかり、39条の末尾にこの項目が付け加えられたという。
旧体制の生き残りの官僚まかせにしていたら、危ないところだったんだ。