金曜日朝の善福寺公園は晴れ。きのうほどは気温が高くなく比較的すごしやすい。
けさのカワセミは上池に2羽。どっかりと腰を据えている。
よく見るとどちらもメスっぽい。
やっぱり親子か姉妹か?
葉っぱの上に枯れ葉が落ちてる、いや、ひょっとしてとよくと見ると、枯れ葉に擬態したガだった。
横から見ると立体感がハンパない。
あまりにも枯れ葉っぽいからホントはやっぱり枯れ葉かなと思ってつっつくと、飛んで行った。
ヒメエグリバのようだ。
褐色で、外縁がえぐれた立体感のある翅を持ったガ。それでエグリバ。
どう見てもクシャクシャになった枯れ葉に見える。
しかし、これはほぼ平面の翅に描かれている模様のなせるワザ。
よく見ると複雑な色模様。葉脈までちゃんとついているし、翅の模様で影まで描いて立体的に見せている。頭部は黄色くなっていて、丸くて大きいのが目。
それにしても見事な造形。虫は芸術家だ!
すぐそばにオンブバッタ。
クワコの幼虫が2匹つながった感じ。
こちらも枝そっくり。
キアゲハがジッとしている。
ナミアゲハによく似ているが、翅や体の色が全体的に黄色みが強いのが特徴。
複眼が黒く、長い口吻も黒色だ。
そのキアゲハの幼虫。きのうよりぷっくりしてきた感じ。
葉っぱに隠れて渦巻き状のものを発見!
美しいほど見事にグルグルと渦巻きの形をしている。
何と、これもクモがつくった造形で、造形の主はウズグモという。
ウズグモは垂直の網をつくったり、渦巻きの網をつくったりするが、満腹のときは渦巻き網は張らず、飢えててくると網を渦巻きにするんだとか。 その理由は、渦巻きの方が引っ張りに強くなり、小さな虫でも確実に振動が伝わって捕まえることができるかららしいが、見たところクモ本人は見当たらない。どこかに隠れているのだろう。
それにしても自然は芸術家だ。
こんな発見ができるから朝の散歩は楽しい!
茎の先から白い可憐な花が束になって咲いている。まるで花束みたい。
ニラ(韮)の花だ。
ニラといえば、独特の味と匂いがして、レバニラ炒め、ギョウザやチジミの具などにしておいしい野菜だが、野生化したのが公園にも生えていた。
中国原産とも東南アジア原産ともいわれるが、日本でも古くから栽培されているという。
古事記には「賀美良(カミラ)」とあるように、古くは「ミラ」と呼ばれ、その強い匂いからか邪悪なものを追い払う力があると信じられてきたという。
万葉集にも次の歌がある。
伎波都久(きはつく)の岡の久君美良(くくみら)我れ摘めど籠(こ)にも満たなふ背(せ)なと摘まさね
くくみらとは茎韮のこと。
伎波都久(きはつく)の岡の茎韮(くくみら)は、いくら摘んでも籠いっぱいにならない。それならあの人と一緒に摘みなさいということかな。
日本国語大辞典によると、平安時代の呼び名はミラ系が中心だったが、後期から末期になるとニラも使われるようになり、中世から近世にはニラが優勢になっていったという。
「ミラ」の語源は、食べると美味であるというので「美辣(ミラ)」となったとの説があるが(辣は辣韮=ラッキョウみたいということか)、やがていいやすいように変化していったのか?
女房言葉では「葱(き)」と呼ばれたネギを「一文字」、ニラは「二文字」と呼んでいた。
ネギもニラも五葷の1つで、精のつく野菜で心を乱すものとされ、禅寺では「葷酒山門に入るを許さず」と持ち込んではならないとされた。だから女性はあからさまに名前をいえなかったのではないか。