スペイン・カタルーニャの赤ワイン「3055 メルロ・プティ・ヴェルド(3055 MERLOT PETIT VERDOT)2018」
写真はこのあと厚切りステーキ。
ワイナリーはスペインの名門トーレス・ファミリーが手掛けるジャン・レオン。3055シリーズは有機栽培の畑のブドウを使用したオーガニックワインという。
ワイナリーのオーナーのジャン・レオン氏は19歳でスペインを離れて各地を巡り歩き、ニューヨークに渡って最初に就いたタクシー運転手のライセンス番号3055にちなむワインだとか。
メルロ60%、プティ・ヴェルド40%。
ワインの友に記憶をテーマにした映画を立て続けに観る。
まずはNHKBSで放送していたアメリカ映画「心の旅路」
監督マーヴィン・ルロイ、出演ロナルド・コールマン、グリア・ガースンほか。
1942年の作品だが、1941年に出版されたジェームズ・ヒルトン作の小説の映画化。
原題は小説も映画も「Random Harvest」。
直訳すれば「行き当たりばったりの収穫」あるいは「予期せぬ収穫」「作為のない結末」とでもなるのか。
運命に翻弄されながらも2人の男女の「心の旅路」をつづる作品。
日本では戦後の1947年に公開されたが、アメリカでは戦争中にこんなメロドラマをつくっていたなんて。なかなかの名画だった。
舞台は第一次世界大戦終了直後のイギリス。戦争で記憶喪失になった若い将校が、自分が何者かわからないまま精神病院から抜け出し、街をさまよっているところヒロインの踊り子に救われる。その後の3年間の幸せな暮らし。ところが、3年たって、事故で頭を打ったことにより男は昔の記憶が戻るものの、今度は記憶喪失中の記憶がなくなってしまう。男は女を見てもだれだかわからない。それでも、男を愛し続けるヒロイン。「心の旅路」とは、記憶喪失の男の心の旅路であるとともに、いやそれ以上に、男を愛し続けたヒロインの心の旅路でもあった。
何といっても、せっかく結婚し愛を育んできたのに事故で3年間の記憶を失い、自分のことをまるで忘れてしまった男を恨むどころか、その悲しい現実にじっと耐え、自分を思い出してくれるまで男を見守り続ける女性を演じたグリア・ガースンが、まるで慈母観音のように美しかった。
男が記憶を取り戻し、互いに名前を呼び合い抱擁する最後のシーンが心に残る。
セリフはたった2つだけ。
「スミシー!」
「ポーラ!」
続いて民放のBSで放送していたアメリカ・イギリス映画「クリミナル 2人の記憶を持つ男」。
2016年の作品。
原題は「Criminal」。
「犯罪者」という意味か。
監督アリエル・ヴロメン、出演ケヴィン・コスナー、ゲイリー・オールドマン、トミー・リー・ジョーンズ、ガル・ガドット、ライアン・レイノルズほか。
CIAロンドン支局のエージェントの男(ライアン・レイノルズ)が、世界の安全を脅かす重大な事実を知りながら殺害されてしまう。何とか男の記憶を取り戻すことはできないか。CIAのウェイカー(ゲイリー・オールドマン)は、人の脳から別人の脳へと記憶を移植する技術を研究していた脳外科医フランクス(トミー・リー・ジョーンズ)に協力を依頼し、米国で死刑を待っていた囚人ジェリコ(ケヴィン・コスナー)の脳に死んだCIAエージェントの記憶を移植することを試みる・・・。
何と“知性派”のはずのケヴィン・コスナーが粗野で凶暴な死刑囚を演じている。それで原題は「Criminal」というわけか。しかし、死んだCIAエージェントの記憶が次第に蘇ってくると、他人への思いやりや正義感が芽生えてきて、最後はいつものケヴィン・コスナーになっている。
2人の人間の記憶が融合するなんて、そんなのありえない、と首を振りつつも、ひょっとしてありえるかも?と思ってしまうから、映画って不思議。
「レオン」で悪役を演じ、チャーチルを演じた映画でアカデミー主演男優賞を受賞したゲイリー・オールドマンやトミー・リー・ジョーンズも出演。