善福寺公園めぐり

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きのうのワイン+映画「七人の無頼漢」

イタリア・ヴェネト州の赤ワイン「テッレディライ・アーチニ・ロッシ(TERREDIRAI ACINI ROSSI)2018」f:id:macchi105:20200304190533j:plain

イタリアのヴェネト州新型コロナウイルスの感染で大変なことになっているが、このワインをつくっているのはそのヴェネト州のピエヴェ川のほとりにある小さなワイナリー、カ・ディ・ライオ。

背の高いブドウ樹を左右に並べ、トンネルのように枝を張らせていくベルッセラと呼ばれる伝統的な方法で栽培したブドウを使用し、香り高いアロマとコクのある味わいのワインを造り出しているんだとか。

優しい口当たりの赤ワインだ。

 

ワインの友で観たのは、NHKBSで放送していたアメリカ映画「七人の無頼漢」。

 

1956年製作の西部劇。原題は「SEVEN MEN FROM NOW」。

 

監督バッド・ベティカー、出演ランドルフ・スコットリー・マービン、ゲイル・ラッセルほか。

 

愛する妻を7人の無頼漢に殺された元保安官のストライド(ランドルフ・スコット)は、復讐のため一味を追う途中、幌馬車に乗ったジョンとアニー(ゲイル・ラッセル)の夫婦と出会う。その後、マスターズ(リー・マービン)ら2人の男を加えて、一味が潜む町へと向かうが、仲間になったマスターズらもアニーの夫のジョンも、いずれもやましい気持ちを抱いていて・・・。

 

先日観たフェリーニの「道」も純愛物語だが、この映画も純愛物語だった。

最初のストライドとアニーとの出会いのときから2人は引かれ合う。しかし、アニーは人妻だから許される恋ではない。

旅の途中、ストライドは自分の身の上をアニーに語る。町の保安官をしていたが選挙で敗れて無職になった。保安官代理になる当てはあったものの、それじゃ自分のプライド許さないと断る。そこで生活のために妻が働きに出ていて、強盗の巻き添えを食って殺されてしまった。だから彼女は自分が殺したようなものだ、とストライドは苦悶している。

 

いよいよ決戦のときがきて、ストライドは妻の仇を討ったものの、アニーの夫は悪漢どもに殺されてしまい、残ったのはストライドとアニー。

夫は死んだけど自分はこれから目的地に向かう、というアニーが幌馬車に荷物を積んでいるところにストライドがやってくる。

ストライドが着ているのは、決戦の前の別れ際に渡してくれた、アニーが洗濯してくれた真新しいシャツだった。

ストライドは「保安官代理の仕事をすることにした」といって去っていく。

後ろ姿を見送るアニー。

御者に荷物を降ろすようにいい、「しばらくこの町にいるわ」とつぶやく。

 

多くは語らない。これが純愛映画といえずして何といえるだろうか。