善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

映画「私は、マリア・カラス」と「MUSIC IN THE PARK」

銀座メゾンエルメスのプライベートシネマ「ル・ステュディオ」で「私は、マリア・カラス」を観るため銀座へ。

 

少し早めに着いたので隣の「Ginza Sony Park(銀座ソニーパーク)」(ソニービルの跡地に去年オープンしたビルの中の公園)」に寄る。

 

MUSIC IN THE PARK 東京スカパラダイスオーケストラと作る音楽の森」というイベントを開催中。

地下鉄コンコースから繋がる地下フロアには数十本の柱が立っていて、“音楽の樹”なんだそうだ。

好きなアーティストの曲をヘッドホンで楽しむことができる。f:id:macchi105:20190923164250j:plain

円形に配置された15台のグラスサウンドスピーカーもおもしろかった。f:id:macchi105:20190923164323j:plain

それぞれのスピーカーからは1つの楽器の音が聞こえる。スピーカーに耳を近づければその楽器が奏でる音が聞こえるし、真ん中に立てばハーモニーとなって聞こえる。

 

と、遊んでいるうちに時間が来たのでメゾンエルメス10階の「ル・ステュディオ」へ。

本日上映されたのは「私は、マリア・カラス」(原題「Maria by Callas」)。

2017年製作のフランス映画。監督トム・ヴォルフ。

20世紀最高のソプラノと称されたオペラ歌手マリア・カラスの人生を追ったドキュメンタリーだ。

(写真はパンフレットより)

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舞台の隠し撮り?映像も含めたテレビインタビューや映像・写真などで構成し、ナレーションはなし。彼女の歌と言葉だけで構成されていて、ナレーションにあたるのはときおり挿入される字幕のみ。また、そのときどきの心情を綴った手紙がフランスの女優ファニー・アルダンによって読み上げられ、オペラ界の女王としての姿だけでなく、一人の女性としてのマリア・カラスを浮かびあがらせている。

 

途中、何曲かのアリアをノーカットで聴かせてくれるが、カラスの歌をこれだけ聴いたのは初めて。彼女のずば抜けた声のよさはもちろんのこと、表現力のすばらしさ。どれも胸打たれた。

 

映画でノーカットで歌っていたのは、1950年代初めごろだったかのベッリーニの「ノルマ」より「清らかな女神」、そのあとはビゼーカルメン」より「恋は野の鳥(ハバネラ)」、プッチーニ「トスカ」より「歌に生き、恋に生き」、ベッリーニ夢遊病の娘」より「おお花よ、お前がこんなに早く萎んでしまうとは」など。

 

最後に歌ったのがジョルダーノ「アンドレア・シェニエ」より「母が死に」。

そして、エンドロールが流れる中でプッチーニ「ジャンニ・スキッキ」より「私のお父さん」。

母と父が対になっていたのか。

 

絶頂を極めたカラスは1965年の「トスカ」の舞台を最後に事実上の引退状態になっていたが、1973年のロンドンから始まって復帰ツアーを行う。

オペラではなくコンサートだったが、ヨーロッパ、アメリカ、アジアをまわり、ラストは翌74年の日本で、熱狂する観客にカラスは歌う喜びを取り戻したように見える。この日本公演が彼女の生涯における最後の公式の舞台となった。

「私のお父さん」はロンドンでの復帰ツアーのときのもののだったようだ。

 

さらに本格的に舞台に登場するのかと思っていたら、それから間もない19779月、パリの自宅で亡くなる。享年53

死因は心臓発作とされているが、あまりに早すぎる死だった。