善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

団菊祭五月大歌舞伎

歌舞伎座で今年も恒例の「団菊祭五月大歌舞伎」夜の部を観る。
明治期に活躍した九代目市川団十郎と五代目尾上菊五郎を顕彰する「団菊祭」。1936年にスタートし、中断もあったが80年を迎えたという。
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連休中ということもあって客席は満員で、和服姿の女性も目立つ。
劇場入口の隅に、和服姿の富司純子さん(菊五郎の奥さん)がにこやかな表情でいて、となりにやはり和服姿の吉右衛門によく似た女性がいたが、ひょっとして本日お目見えの寺島和史くん(菊之助の長男)のお母さんか?

演目は「勢獅子音羽花籠」「三人吉三巴白浪」「時今也桔梗旗揚」「男女道成寺」。
こと団菊祭に関しては世代交代はキッチリ進んでいて、舞台の中心になっているのは海老蔵菊之助松緑などの若手だ。

一番盛り上がったのは2歳半になったばかりの寺島和史くんの初お目見え。
将来の歌舞伎の大幹部になることが約束されている御曹司の初お目見えとあって、超豪華な演出のもと行われた。
何しろ出演者が豪華で、看板俳優たちがちょい役で顔を揃えている。
和史くんのおじいちゃんの吉右衛門が29年ぶりの団菊祭出演。
当然、もう1人のおじいちゃん菊五郎もとなりにいて、2人のおじいちゃんがともに人間国宝というのだからスゴイ。(存命中の歌舞伎の人間国宝は5人)
当の和史くんは羽織袴姿ながら父親にダッコされて花道からあらわれたはいいが、恥ずかしいのか顔を覆ってさかんに照れている。
両祖父、父親の口上のあと、菊五郎の音頭で手締め
満場の拍手喝采に、最後は手を振って応えていたのは役者根性の片鱗か。

よかったのは「男女道成寺」。
海老蔵菊之助の美男美女カップルにうっとりするばかり。
長唄常磐津の掛け合いも聴き応えがあった。

中でも菊之助白拍子の美しいこと。
1児の父親だなんてことはすっかり忘れてしまう。
前から5番目の席だったので全体も見えたしアップでも楽しめたので、ただただ「この時間よ永遠に」と願うばかりだった。

最後は出演者による手拭い撒き。
道成寺もの」では踊りに使っていたのと同じ手拭いを撒くことがあるそうで、幸運にもゲット。
「団菊祭五月大歌舞伎 男女道成寺 海老蔵 菊之助」という文字が両家の家紋とともに染めてあり、おかげでいい記念になりました。