善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+「荒野の決闘」

ニュージーランドの赤ワイン「セラー・セレクション・ピノ・ノワール(CELLAR SELECTION PINOT NOIR)2013」
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日本で一番売れているニュージーランドワインだという。ワイナリーはシレーニ・エステート(SILENI ESTATES)。
ピノ・ノワール100%。柔らかい味。

ワインの友で観たのは、先日(5日の昼間)NHKBSでやっていた「荒野の決闘」。
1946年のアメリカ映画。
ジョン・フォード監督。出演はワイアット・アープにヘンリー・フォンダ、ドク・ホリディにビクター・マチュア、ほか。
モノクロの映像が美しい西部劇。

ワイアット・アープもドク・ホリディも実在の人物で、映画に出てくる「OK牧場の決闘」も実際にあった事件。アープは1929年80歳で没。ジョン・フードとも親交があったという。

しかし、映画は決闘に重きを置くより、アープが保安官(マーシャル)を引き受けたトゥームストーンという町の平和な日常を丹念に描いている。町に教会を建設するため、資金集めのための野外パーティーが開かれるが、そこでドクを追ってボストンからやって来た美しい女性、クレメンタイン(ドクの元婚約者)とアープがダンスするシーンなど、人々の暮らしぶりがよくわかる描写となっている。
この映画が作られたのは1946年、第二次世界大戦が終わった翌年だ。ジョン・フォードヘンリー・フォンダもビクター・マチュアもともに従軍していたという。平和を求める気持ちが強く出た作品ともいえる。

日本での公開名は「荒野の決闘」という情けない題名。
しかし、原題は「My Darling Clementine」で、婚約者のドクをOK牧場の決闘で亡くし、トゥームストーンに子どもたちを教える教師として残ることにしたクレメンタインに、町を去ることにしたアープが最後の別れをするのがラストシーン。
映画の中でアープはずっとクレメンタインにひかれていて、でもドクの婚約者だというので遠慮していた。
ドクは死に、もう遠慮しなくてもいいのに、それでも自分の恋心を相手に伝えることができないアープ。ああ昔の人は純真だな。
いよいよ町を去るとき、クレメンタインと2人っきりになったアープは、彼女のほっぺに口づけし、最後のセリフ。
「あなたの名前が好きです・・・クレメンタイン」
「いとしのクレメンタイン」の曲が流れて映画は終わる。

何で「あなたが好きだ」ってスナオにいわないんだ!と思うのはゲスの発想か。

ちなみに「いとしのクレメンタイン」はアメリカ民謡で、もともとの歌詞は金鉱堀の娘が川に落ちて死んだ悲しい話を歌っているという。日本では「雪山讃歌」としてうたわれているが、あの歌を山男の歌にしてしまった作詞者の西堀栄三郎(京大教授や南極越冬隊をつとめた人)もスゴイ人だ。

さらにちなみに、「いとしのクレメンタイン」とよく似た歌に「赤い川の谷」というやはりアメリカ民謡があった。
レッドリバーはテキサス州に源を発しミシシッピー川に合流する約2000キロの大河。歌詞では、西武開拓時代の白人とインディアンの女性との恋が描かれている。
ヘンリー・フォンダ主演の「怒りの葡萄」(1940年)の主題歌となり、のちにジョン・ウェイン主演の「赤い河」(1948年)の主題歌となった。
若かりしころ、「怒りの葡萄」を見てヘンリー・フォンダのファンとなり、父親にそっくりのジェーン・フォンダのファンにもなったことを思い出す。