善福寺公園めぐり

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エチオピア旅行記② ダナキル砂漠と北エチオピアの世界遺産周遊

エチオピア旅行記~ダナキル砂漠と北エチオピアの旅、続き。

エチオピア旅行の出発前、恐れていたのが「ダニ問題」だった。エチオピアではダニが多く、ホテルのベッドに寝ているとダニに襲われるし、教会に入るときは靴を脱がなければいけないので、靴下のまま入るとやっぱりダニにやられる、というのである。

旅行会社は「乾季のダニがいちばん少ない時期なのであまり心配いらない」とのことだったが、それでも各地域でダニが出る可能性があるというので、防虫剤のダニクリンやダニブロッカーを持っていくこと、ベッドのシーツの上にビニールシートを敷くと効果的、と指導していた。

また、教会に入るときのダニ対策としては、靴下の上にビニール袋を履くと防虫できるが、ビニールだと滑るので、その上にさらに捨ててもいい靴下を履くといい、とアドバイスしてくれた。

当方も一応それなりの準備をしていったが、ホテルに泊まったときはベッドにおざなりにダニクリンをシュッシュと吹きかけるぐらいにした。結局、旅行中、ダニに食われることはなかった。

教会の入場時も、最初のときだけ靴下の上にビニール袋を履き、そのうえにさらに靴下を履いて防虫対策をしたが、面倒なので次からは靴下を脱いで裸足で歩いた。やはりダニに食われることはなかった。
少なくとも乾季のエチオピアではダニ対策にそれほど躍起となることはなさそうだ。

メケレのホテル(メケレ・プラネット・ホテル。今回の旅でいちばん立派なホテルだった)。
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ホテルの部屋からの眺め。すぐ隣にイスラム教のモスクがあり、朝の4時半ごろからエンエンと礼拝を呼びかける「アザーン」の大音響が響いて、目が覚めた。
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さて、旅の最初にさっそくハイライトがやってきた。
エチオピア到着の翌日12日(火)、エルタ・アレ火山とダナキル砂漠をめぐる2泊3日の野天泊・テント泊の“冒険”が始まるのである。
重いスーツケースはメケレのホテルに残し、3日分の着替えや寝袋をかついで出かける。

当初の予定ではエルタ・アレ火山山頂をめざす4時間のトレッキングは2泊3日の2日目のはずだったが、エルニーニョ現象の影響か途中水位が高く車が通れない場所があり、急きょ予定を変更して1日目にエルタ・アレ火山に登ることになった。

6台の4WDに分乗(1台に2人か3人ずつ、先頭の車両には警備のため銃を持ったポリスが同乗)してホテルを出発。

アフリカ大地溝帯に入っていく。
途中、青空トイレで停車したところ。
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地球の内部ではマントルが対流していると考えられている。
日本付近では、東西からマントルが沈み込んでいて、それに引きずられてプレートの沈み込みが起こり、時として大地震を引き起こす。

一方、東アフリカでは逆に、地球内部のマントルは上昇流となって東西に別れるように流れている。このマントルの動きに引きずられて大地は東西に裂けようとしていて、これによって形成されているのがアフリカ大地溝帯だ。

アフリカ大地溝帯はアフリカ東部を南北に縦断する巨大な谷であり、幅35~100km、総延長は7,000kmにも及ぶ。地面が割れて、落差100mを超える急な崖が随所に出現している。
そんな“大地の裂け目”から吹き出すのがエルタ・アレ火山のマグマであり、極彩色のダロール火山の奇景である。

途中の村で一休み。
たちまち子どもたちが集まっていて、「ペンをちょうだい」とかうるさい。
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村のカフェ。そういえばエチオピアはコーヒー発祥の地。
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アフリカらしく建物の色もカラフルだ。
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木と泥でつくった家もあった。
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砂漠地帯のいたるところで見た「ソムド・アップル」と呼ばれる植物。学名は「カロトロピス・プロセラ」というそうで、リンゴに似た緑色の実をつける。白い乳液には毒があり、かつては弓矢の矢や槍の毒として使われたという。
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いよいよオフロードに入っていき、ダナキル砂漠を砂を巻き上げながら進んでいく。
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ダナキル砂漠の平均気温は34~35℃で、夏は日中50℃以上になることもあり、地球でもっとも暑い過酷な場所といわれる。
アフリカ大地溝帯に位置し、海抜マイナス100m以下の場所(アファール盆地)もある。エルタ・アレ火山をはじめ活火山が多く点在する。

砂漠の次は岩の大地。前方に見える低い山がエルタ・アレ火山だ。
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途中見た民家。ここにも人が住んでいる。
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午後4時近くベースキャンプに到着。車で行けるのはここまで。
専属のコックさんが同行していて、ここで早めの夕食を取る。日中は暑くてとても山登りなんかできない。
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夕暮れを待ってエルタ・アレ火山の山頂に向け出発する。
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日が沈んでくると、満天の星が広がる。
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