著者は『その女アレックス』『悲しみのイレーヌ』などでこのところ日本でも評判の作家。
この2作のミステリーは、奇抜な発想でおもしろくは読めても作品のデキとしては「どうかな?」と首をひねった。一方の本作はミステリーとは違う青春・冒険小説で、暗いテーマなのに読後感は意外とさわやかだった。
この2作のミステリーは、奇抜な発想でおもしろくは読めても作品のデキとしては「どうかな?」と首をひねった。一方の本作はミステリーとは違う青春・冒険小説で、暗いテーマなのに読後感は意外とさわやかだった。
第一次世界大戦後のフランスを舞台に、戦争で職も恋人も失った貧しい青年アルベールと、裕福な家庭で育ち画才に恵まれながらも戦争のため顔に大ケガを負って家族との縁を断ったエドゥアールの2人が、苦難にあえぎながらも互いに支えあい、ついには国家をあざ笑うような前代未聞の詐欺を企てる物語。
2013年にフランスで刊行され、今年10月に邦訳が出版された。