善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

西荻→善福寺池フットパスプロジェクト

3日から開催中の「トロールの森2015」は善福寺公園での野外アートや野外劇場のほかにもさまざまな企画が組まれているが、その1つ、青山学院大学総合文化制作学部鳥越研究室主催の道案内ワークショップ「西荻善福寺池 フットパスプロジェクト」に参加した。

このプロジェクトは3日にも第1回が行われていたが、その日は公園から離れられなかったので8日に行われた2回目からの参加。
合計で3回開かれる予定で、それぞれ違う3人の“道案内人”とともに毎回異なるルートで西荻から善福寺池までを歩き、街の成り立ちや歴史をひもとく企画。

3日は「表面にあらわれるもの」をテーマに、戦前戦後から現代までの街の様子について、先祖代々善福寺に暮らすトロールの森事務局代表の野田栄一さんが道案内役。
8日は、現在の地域を形作っている街の基盤がそもそもどうだったかを、地形や歴史、信仰の面から探るルートを行くもので、題して「骨格を支えるもの」。道案内人は前杉並区郷土博物館館長で考古学者でもある寺田史朗さん。
そして22日は「基底に流れるもの」と題して、水みち研究家の神谷博さんが善福寺川の川沿いに案内してくれる予定。

西荻から善福寺池までの街歩きを多面的重層的に楽しめるなんて、こんないい機会はない。

8日はあいにくの雨だったが、その道のプロと一緒に歩くことで、今まで何気なく歩いていた場所に意外な発見があり、知的好奇心が揺さぶられる街歩きだった。
ちなみに8日のコースは、伏見稲荷神社と伏見通り商店街→袋小路のロータリーにある「つきあたりのオアシス」→トトロの樹と杉並の地形→地蔵坂→富士見百景→薬王院跡→同潤会住宅→八幡橋井草八幡宮富士講と燈籠→善福寺池
写真は「つきあたりのオアシス」にて。
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この中で特に「へーっ」と思ったのは、今は八幡宮の駐車場となりにある富士塚は、もともと社務所のあたりにあったという寺田さんの話。
井草八幡宮は比較的高台に位置し、南側は斜面になっていて遠くを見渡せる。おそらくかつてはその場所から富士山がよく見えたのではないか。
社務所はその南側に位置していて、富士塚に登らなくても富士山を遥拝できただろう。
そんな話を聞くと、富士を拝むアニミズム八百万の神神道や仏教が混交していた時代の信仰の姿が目の前に浮かんでくるようだった。

ちなみにフットパスとは19世紀後半にイギリスで始まったもので、「自然や歴史文化(風景)を楽しむために歩くこと(foot)ができる散策路・小径(path)」のことだという。その整備を通じて地域の魅力に共に気づき、その体験から地域のあり方や考え、まちづくりを推進しようとするものなのだとか。
ナルホド、街を歩くことは街づくりにもつながるのかもしれない。