ヘンな論文

サンキュータツオ『ヘンな論文』（角川学芸出版）を読む。
“珍論文コレクター”だというお笑い芸人のサンキュ-タツオ氏が集めた「ヘンな論文」についての考察。

図書館にある論文誌を片っ端から眺めておもしろそうなのを選んだという。
たとえば『日本建築学会環境系論文集』に載っていた「傾斜面に着座するカップルに求められる他者との距離」という論文についてウンチクを傾けたり、「あくびはなぜうつるのか？」という論文を『いわき明星大学人文学部研究紀要』からみつけてきたりしている。

ほかにも『物理教育』に載っていた「コーヒーカップとスプーンの接触音の音程変化」とか、『日本家政学会誌』に載っていた「走行中のブラジャー着用時の乳房振動とずれの特性」、『共立女子大学　家政学紀要』に載っていた「湯たんぽの形態成立とその変化に関する考察」などなど、たしかに変わった論文はいろいろあるものだ。
でも「ヘンな論文」というがどれもとても興味深いものばかりで、少しも「ヘンな研究」ではない。みなさん真剣に研究している。

本書を読んでいておもしろかったのが、女性の話が出てくると筆者のサンキュータツオ氏が異常に興奮気味になること。おそらく筆者は30台後半で、あまり女性との縁がなくここまで人生を送ってきたのではなかろうか。そんなことも想像したくなる本だった。