善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

千倉由穂さんの句

きのう(18日)の朝日新聞夕刊文化面に載っていた俳人の千倉由穂さんの句が心に残ったので紹介する。
夏を詠んだ句がとても新鮮でみずみずしかった。

青蔦(あおつた)は風のことばを翻訳す

蔦茂る風がすべってゆくほどに

本屋より驟雨(しゅうう)に潜り駆け出せり

分針を秒針離れゆく炎暑

街灯もまばたきをせず熱帯夜

夏の夜のここが中心焼肉屋

深呼吸より朝顔の生まれたる

夕立が麒麟(きりん)の王を連れて来る

地面には夕立人間には怒声

デモ隊の一片となる夏星と

夏の月水槽として身体あり

酸漿(ほおずき)の花に路地裏明け渡す

千倉由穂(ちくら・ゆほ)さんは1991年仙台市生まれ、東京都在住。「小熊座」所属。若い!