善福寺公園めぐり

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シャネルのコンサート

きのう土曜日(24日)は銀座のシャネル・ネクサスホールで「CHANEL Pygmalion Days」のコンサート。
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CHANEL Pygmalion Daysとは、若手のアーティストに演奏する機会を提供するプログラムのことで、2014年はピアニスト2名、チェリスト1名、ヴァイオリニスト1名、バリトン1名の若手音楽家を支援するためコンサートの場を提供していて、きのうは伊藤悠貴のチェロ。ピアノは丹千尋

会場のシャネル・ネクサスホールはシャネル4階にあり、座席数は180ほどか。ちょうどいい広さ。
ただ、はじめはガンガンに冷房を効かしているが、音の関係だろう、演奏が始まると冷房はストップするので、だんだん暑くなっていく。演奏に熱がこもるのとマッチして、不思議な快感。

伊藤は1989年生まれだから今年25歳。15歳のときからロンドンに住み、ヨーロッパを中心に活躍している。
この日の曲目は次の通り。

R・シュトラウス
チェロ・ソナタ ヘ長調 作品6 TrV 115

ワグナー 
楽劇「トリスタンとイゾルデ」から 第1幕 前奏曲 (チェロ・ピアノ編)

マーラー (ゲリンガス編曲) 
4つの歌(チェロ・ピアノ編)
「少年の魔法の角笛」より 12. 原光
「少年の魔法の角笛」より 6. 魚に説教するパドヴァの聖アントニウス
「最後の7つの歌」より 5. 私はこの世に捨てられて
「さすらう若者の歌」より 2. 朝の野を歩けば

今年はR・シュトラウス生誕150年というので、それを記念するプログラム。マーラーR・シュトラウスと同時代の作曲家であり、2人が私淑したのがワグナーだったという。
ワグナーとマーラーの曲(チェロ演奏のために編曲したもの)はいずれも日本初演
 
シュトラウスの「チェロ・ソナタ」は彼が18歳の大学生のときの作品。
去年だったか、ヨーロッパのどこかの国でこの曲を演奏したら、会場にシュトラウスのお孫さんがいて、おじいさんとそっくりだった、と演奏会の合間に伊藤が話していた。

この日よかったのはマーラーの曲。もともとは歌曲だったのを、この曲を歌ったフィッシャー=ディースカウ(ドイツのバリトン歌手)の歌唱に触発され、「バリトンの声はチェロに合うはず」とチェロ奏者のダーヴィト・ゲリンガスが編曲したものという。
たしかに歌うような曲だった。

アンコールで演奏されたシュトラウスの「ロマンス」も心に残った。

マチネー公演だったのでコンサートが終わっても外は明るい。
ちょうどこの日、銀座は歩行者天国だった。
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