善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

特捜部Q Pからのメッセージ

11日の善福寺公園は空気は冷たいがいい天気。
公園を1周していると、上池の浄水場となりの広場に見事な落ち葉の山。これも芸術だ!
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下池にまわると、イチョウのキャンバスに樹木のシルエット。
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ユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q Pからのメッセージ』(ハヤカワ・ポケットミステリ 吉田薫・福原美穂子訳)を読む。

デンマークの警察小説。前に読んだ『特捜部Q 檻の中の女』が面白かったので手に取る。すると、前作に続いてまた誘拐・監禁の話。この作者はよほど監禁ものが好きなのか、それともデンマークでは監禁事件は日常茶飯事なのか、と首をひねっていると、本作はシリーズものの第3作とわかった。
第2作は『特捜部Q キジ殺し』という題で、20年前に起こった殺人事件に挑む話だとか。どうやら監禁事件専門でもなさそうで、第2作も読まなくちゃ。

で、本作の内容はというと──。

未解決事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の「特捜部Q」。今回、カール・マーク警部補と助手のシリア人アサドのコンビが挑むのは、海辺に流れ着いたボトルメールの謎。
瓶から取り出された手紙の冒頭には「助けて」との悲痛な叫びが。
書き手の名前の頭文字はP。しかし、手紙の損傷は激しく、内容の解明は難航。Pはどうやら誘拐されたようなのだが、過去の記録に該当する事件は見当たらない・・・・・・。

今回もおもしろい。謎解きあり、追跡あり、立ち回りありで最後まで飽きさせない。
今回の事件の背景となっているのが宗教、それもキリスト教新興宗教をめぐる話で、こんな犯罪のやり方があるのかと妙にナットク。

話の持っていき方も見事で、一方の悪い方の主人公と、犯人を追うカールらとが、クロスするというか、カットバックするように描かれていて、物語の世界に引き込まれる。

師走の夜、眠りにつくまでの楽しいひとときを提供してくれた1冊だった。