善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

ジョン・ハート アイアン・ハウス

月曜日朝の善福寺公園は晴れ。朝から暑い。東京の最低気温、午前5時29分に27・9度。
ラジオ体操をしていると、池の真ん中をカワセミが飛んで行った。
池の端の葉っぱの上に、羽化して成虫になったばかりだろう、セミがジッと羽を休めていた。
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ジョン・ハート『アイアン・ハウス』(早川書房)を読む。

『キングの死』で作家デビュー。第2長編『川は静かに流れ』、第3長編『ラスト・チャイルド』がともにアメリカ探偵作家クラブ賞(MWA賞)最優秀長編賞を受賞。今回は第4長編。なんとまだ4作しか書いてないのに“大作家”。

本書の宣伝文句によれば─。
凄腕の殺し屋マイケルは、ガールフレンドのエレナの妊娠を機に、組織を抜けようと誓った。育ての親とも言えるボスの了承は得たが、その手下のギャングたちは足抜けする彼への殺意を隠さない。死期の近いボスの影響力が霧消すれば、マイケルとエレナに危険が及ぶのは確実。しかも、かつて孤児院で共に育ち、その後、生き別れとなっていた弟ジュリアンまでが敵のターゲットになっていた。ミステリ界の新帝王がかつてないスケールで繰り広げる、緊迫のスリラー!

文章はすばらしく、引き込まれる。翻訳(東野さやか)のうまさでもあるかもしれないが。
読み出したら止まらない。そこがミステリの醍醐味。ただし、結末に不満が残った。
すべてが金で解決しているようで(主人公のハッピーエンドも含めて)、何となく後味が悪かった。
ま、そこがアメリカ的な気かもしれないが。