善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

何に見える?

21日の報道で、「水星にミッキーマウス?」というニュースがあった。米航空宇宙局(NASA)は、ミッキーマウスのように見えるクレーターが写った水星の表面の画像を公開した、というのだが、なるほどミッキーによく似ている。


水星探査機「メッセンジャー」が今月3日に水星の南側を撮影したもので、ミッキーの顔に当たる大きな円形のクレーターの上に、耳に見える二つの小さなクレーターが乗った形。水星の表面に多数あるクレーターが偶然作り上げた模様だといい、天文ファンの間で「本当にそっくり」と話題になっているのだとか。

たまたま、松田行正著の『図地反転』(美術出版社)という本を読んでいたので、いたく興味を注がれた。
松田氏はデザイナーとして数々のブックデザインを手がけながら、『眼の冒険』『はじまりの物語』などの著書もある人で、本書では映画、漫画、絵画、ロゴなどを独自の視点から分析したコラム22本が 収録されている。『デザインの現場』という雑誌の連載記事に大幅加筆して書籍化したものというが、「スーパーマンはなぜ垂直に飛ぶのか?」「ビートルズの『HELP』と手旗信号の関係は?」など、図像と現象の関係をデザイナーの視点から読み解き、なかなかおもしろい。

本書もおもしろいが、私が強く引かれたのは表題にもある「図地反転」ということだ(この点の解明は本書ではあまりされていない気がしたが)。

そもそも図地反転とは何か?
「図」とは形として認識される部分であり、「地」はその背景となるが、見方を変えると、「地」が「図」になり、「図」が「地」になることもありうる。
そして松田氏によると、いったん「地」が「図」に見えてしまうと、「地」がもともとの「地」だった状態には二度と戻れなくなる。これが図地反転図形であるという。

もう1つ、本来はまるで違う形なのに、見方を変えると人間の顔のように見えるものもある。これも「図地反転」を認識する脳の働きと何らかの関連性があるのではないか。
しかも、決してほかのものではなく、なぜか人間なりロボットなりの「顔」を連想するのはなぜだろうか?

動物は生まれたときにまず親の顔を認識するというが、そのような脳のメカニズムゆえに、顔についての認識が何より優先されるのだろうか。

クレーターのミッキーも、一度ミッキーと認識してしまうと何度見てもミッキーにしかみえなくなる。

そう思って手近のものを見てみると・・・。

地図を開くとカナダの国旗。赤いカエデを囲む白地のほうをよく見ると、左右に怒ったような人の顔が見える。典型的な「図地反転」の1つ。
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ほかにも、机まわりを探してみると、ICレコーダーはロボットの顔。
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これはゾウさん?
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可憐な少女。
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ワンちゃんぽい。
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ぱっちりまなこ。
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ガオーッと吠えてる。
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缶ビールのふたもけっこうかわいい。
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おすましさん。
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