善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

お熱い?スイレン

日曜日朝の善福寺公園は、始め小雨、やがて曇り空。

雨が小康状態になるのを待って公園に行くと、アジサイが露に濡れて輝いて見える。
アジサイは日本原産で、中でも由緒正しいのはガクアジサイ
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一般的に植えられている丸い形をしたセイヨウアジサイは日本原産のガクアジサイを改良した品種なんだとか。

ガクアジサイは2つの花を咲かせる。周囲の大きな花は「装飾花」。おしべやめしべは小さく退化し、名前の通り飾り花。花びらのように見えるのは大きくなった「がく」だという。
中央の小さいのがたくさんあるのが「真の花」とか「普通花」という。こちらはちゃんと実をつける。
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万葉集に次の歌。

安治佐為能 夜敝佐久其等久 夜都与尓乎 伊麻世和我勢故 美都々思努波牟

橘諸兄(たちばなのもろえ)の作で、「あじさいの八重咲く 如く弥(や)つ代にを いませわが背子 見つつ思(しの)はぬ」(アジサイの花が八重に咲くように、いつまでもお健やかでいてください。私はこの花をみるたびにあなたを思い出すでしょう)

下池にまわるとウグイスの声。ホーホケキョとなかなか見事だ。
「6月にウグイスが鳴くなんて?」と不審に思っていると、「鳴くのは春だけじゃないわよ」とツレアイのそっけない返事。
たしかに、ウグイスは留鳥だから鳴くのは春だけではなく、夏の暑いときだって鳴くという。
春に鳴き始めるから「春を告げる鳥」と勝手に思ってるだけなのだろう。
といっても、ホーホケキョは繁殖のために鳴くのだから、暑い季節になってもヤル気満々の鳥に違いない。(あるいは、春にうまく恋愛が成就せず、夏もう1回と再挑戦している健気な鳥か?)

ウグイスの鳴き声の下で、まるで熱い抱擁をかわしているような赤と白のスイレン
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